姿勢を良くして神経痛を楽にする

神経痛は、痛みやしびれを伴い、生活の質を著しく低下させます。

神経痛には、肋間神経痛（ろっかんしんけいつう）や、坐骨神経痛（ざこつしんけいつう）などの種類があります。

今回は、姿勢で楽になる神経痛についてご紹介します。

神経痛と筋肉痛の違い

筋肉痛は運動などによって、筋肉が疲労したり、炎症を起こしたりして痛みが生じるものですが、

神経痛は、神経が圧迫されて痛みが生じることで起こります。

また、ヘルペスなどのウイルスが神経節（末梢神経で神経細胞が集合している部分）に侵入し、

神経痛を起こす場合もあるのです。

見分け方は、運動などの後の痛みであれば、筋肉痛の可能性が高いです。

神経痛は、体の片側に痛みやしびれが出るのが大きな特徴となっています。

神経痛の大半は坐骨神経痛

神経痛の多くを占めているのが、坐骨神経痛です！

坐骨神経はおしりや太ももの筋肉の中を通り、足まで延びています。

坐骨神経痛になると、腰をはじめ、おしりや太ももの後ろ、ふくらはぎ、すねなどに痛みやしびれ、感覚のまひがあらわれ、

時には歩行障害を伴うこともあるのです。

坐骨神経痛以外の神経痛には、片側の胸に痛みが走る肋間神経痛などがありますが、

神経痛患者全体の中ではごく少数となります。

坐骨神経痛の大きな原因は2つ

坐骨神経痛の主な原因は、腰部脊柱管狭窄症（ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう）と、腰椎椎間板ヘルニアです。

この2つの見分け方の目安は、腰を後ろにそらしたときに腰や足が痛めば腰部脊柱管狭窄症です。

その反対に、前かがみになると痛みが出る場合は腰椎椎間板ヘルニアとなります。

腰部脊柱管狭窄症

ほとんどの原因は加齢で、50歳以上の人に見られることが多いです。

加齢によって、背骨の中心部分である脊柱管が変形を起こし、脊柱管の内部の神経が圧迫されて坐骨神経痛が起こるのです。

腰椎椎間板ヘルニア

長時間のデスクワークや前かがみの姿勢、重労働、スポーツなど、腰に負担をかけることが主な原因となります。

脊柱は椎骨（ついこつ）という小さな骨がブロックのように連なってできています。

腰椎は脊柱の一部で、椎骨と椎骨の間にありクッションの役割を果たしている椎間板の一部が後方に飛び出し、

それが神経を圧迫することで、下肢に痛みやしびれなどの症状を起こすのです。

治療法とセルフケア

坐骨神経痛の治療には保存療法と手術療法がありますが、これらの治療の土台となるのはセルフケアとなります。

いくら治療を行っても姿勢が悪かったり、腰に負担をかける生活をしたりしていれば、症状はよくなりません！

すぐ始められる簡単なセルフケアの方法を紹介します！

姿勢はS字カーブを常に保って

横から見たとき、背骨が自然なS字状カーブを保っているのが理想的な姿勢となります。

S字状カーブが崩れると、腰椎に負担がかかり、症状の悪化につながるのです。

また、痛みが強くなるので、腰部脊柱管狭窄の人は腰のそらしすぎに、腰椎椎間板ヘルニアの人は猫背に注意しましょう。

腰部脊柱管狭窄症の人は、正しい姿勢でも痛みが出ることがあるので、少し前かがみの姿勢になっても良いです。

股関節のストレッチも効果的

長時間のパソコン作業など、同じ姿勢をとり続けることが坐骨神経痛の悪化を招いてしまいます。

パソコン作業が続いたときなど、股関節などのストレッチを行えば、下半身の筋肉の緊張がほぐれ、血流も促進しますよ。

その結果、坐骨神経痛の軽減も期待できるのです。

今回は、姿勢で楽になる神経痛についてご紹介しました。

神経痛をはじめ、痛みは長く放置しておくほど、取り除くのが難しくなってしまいます。

痛みが長引くと痛みの記憶が脳に刻まれ、それが体にも心にも悪影響を及ぼすためと考えられているのです。

現在では痛みの中枢に作用し、痛みをすばやく軽減する消炎鎮痛剤もあります！

痛みは我慢せず、早めに受診をすることが大切です。