ふくらはぎの痛み

60代女性

2週間前から左のふくらはぎに痛みが出現し

歩くとその痛みが強くなるとの事で来院されました。

膝は変形性膝関節症となっており、膝が完全に伸ばす事ができない状態です。

以前は膝の痛みがあり、整形外科にて注射をされていたようです。

ふくらはぎの筋肉を診ていくと、

肉離れのような限局性の痛みはなく

全体的に張ったような痛みがあるとの事です。

歩くと痛みが強くなるので、

神経の痛みか血管の痛みかと疑いましたがそれも可能性は低そうです。

膝の変形があり、膝が完全に伸ばせない場合は

常に膝が曲がったまま日常を送ります。

当然、膝が常に曲がっているので、

膝周囲の筋肉は力が入りやすく、伸びにくい状態になっています。

以前は膝の痛みがあったので、

ある程度膝をかばう習慣が付く事により、

ふくらはぎの筋肉に負担がかかり続け痛みが出現したと考えられます。

治療は、

まず膝窩部（膝の裏側）の筋肉を緩めていきます。

ここには、ハムストリングスという太ももの裏側、

ふくらはぎにある下腿三頭筋が付着しており、膝の動きを良くするのにも効果的です。

そして足首の動きをスムーズにする為に、

下腿三頭筋の拮抗筋である前脛骨筋にもアプローチします。

膝窩部の緊張が強く出ていたので超音波治療器もあてていきました。

治療後痛みはなく楽に歩けたとの事ですが、翌日から痛みが出たそうです。

4日後にもう一度同じ治療を行ない一週間様子をみてもらうと

痛みは少し楽になったようで、自転車をこぐ時の痛みが気になると言われました。

膝の変形がある為、常に筋肉が収縮しているので

筋力向上と柔軟性を上げる為にパーソナルトレーニングを行ないました。

トレーニングを始めて数週間でふくらはぎの痛みは無くなったそうです。

しかしながら膝の痛みの方が強くなって来たとの事。

膝の部分も筋肉をつける方が良いと考え

週一回のトレーニングを行なって貰いました。

トレーニングを続けて、約半年

階段の降りる時は少し痛みがあるものの、

旅行に行って歩いても痛みがでなかったそうです。

自宅で行えるトレーニングをお伝えして、当院から卒業となりました。

痛みが出てしまうと、ついつい安静にして動かなくなってしまいますが

適正なトレーニングを行なう事で痛みが取れる事が多いです。

トレーニングは筋肉をつけるだけでなく運動能力も上がるので

ふらつきやつまずく事もなくなり、転倒予防にもなります。

お一人ごとに適切なメニューを組む事ができるので、

ジムにいっても運動出来ない方や一人では出来ない方は是非ご相談ください。